大人になったときの生活の場を見学 後編

ダウン症児の成人後・老後

障害福祉施設の見学レポート、後編です。
前編はこちら

2019年編

はじめに

12月初旬の障害者週間に合わせた、障害福祉施設ツアー。
2019年も開催されました。今度は4市合同でした。
また2コースから選べるけど、前年とは違った内容だったので、また自宅から近い方を選びました。
昨年と比べて、自己主張がより激しくなり、歩き回りたがるぴょこりんを連れて行くのは、無理があることは承知のうえ。
バスツアーなので、途中で帰ることもできません。
またとびびの両親を誘って、勢いで申し込みしちゃいました。

N苑の新施設(就労B)

最近、ダウンママ友がこちらで働きはじめました。
会えるかな?ラインで聞いてみようか?と思ったのですが、N苑といっても施設がいっぱいあります。
会えない可能性は高いけど、会えたら面白いな、じゃあサプライズにしようと決めました。
バスが到着した場所は、昨年見学した場所の裏側に新築されたばかりの施設。
中は真新しいという以外は、昨年見学した所にそっくりです。

小さい部品の組み立てを、1テーブル4人プラス、見守り係が1人ついて作業されていました。
就労Bです。

最初の部屋で見守り係の方たちのお顔をチェックしたけど、友達はおらず。
次の部屋で(あーーー一番奥にいたーーーーー!)発見しました。
あちらは気づいていなかったので、じわじわ近づき、ぴょこりんの顔をでーんと近づけて、気づいてもらいました。

私が昨年このツアーに参加していたのを知っていたので、なんとなく予感はしていたそうです。
友達はサプライズを恥ずかしそうにしながらも、お仕事中だったので、作業員さんたちが組み立てた部品の最終チェックと修正をして、箱詰めしていました。
私もこの仕事をやってみたいと興味を持ちながらも、こんなに会話なくしーんとしていたら、私なら居眠りしそうで怖くなりました。
会話、どうなのかな?今度聞いてみます。

そして、前年「買いたい小物がない」と書きましたが、2019年は素敵な紙袋が追加されていました。
北日本新聞が出している、富山県の柄が印刷されたかわいい新聞紙を、リメイクして作られた紙袋です。
ぴょこりんを追いかけるのに必死だったので、好きな柄だけ伝えて、母に代わりに購入してもらいました。

N苑の新設グループホーム

ぴょこりんはバス出発時にしばらく泣いていましたが、ようやく慣れてきました。
でもちょろちょろ歩きたがるので、爺婆の協力があるから助かっていますが、追いかけるのに必死です。
前年よりさらに「とにかく少しでも見れたらそれでええわ」と割り切りました。
(ちなみに小さい子連れはうちだけです。)

次の見学は、先ほどの作業所からすぐ近くにあるグループホーム。
新築ということもありとても綺麗で、こんなところに娘を住まわせたいと思いました。
男性限定で定員7名。
部屋も自由に見学できますが、どこも片付いていて、散らかった様子もなく感心しました。

↑漢字間違い!正しくは「除湿機」です

そこも共同リビングの大机に、販売している小物が並べられていましたが、見る暇もなかったので、ここでは何も買いませんでした。

見学しながら、廊下で質疑応答タイムが始まりましたが、とても興味深い件を一つだけ、なんとか聞き取りました。

それはホームの家賃やお金のこと、利用者が赤字にならないかという質問でした。
時間の経過もあり、細かい内容は私も忘れてしまい申し訳ないのですが、
重要な点として「赤字にはならない」ということでした。

↑関係ない写真ですが、1月だというのに雪も降らず暖冬です!

まず収入ですが、そのグループホームに入所している知的障害の男性たちの場合、
就労Bの賃金が月平均1万5千円、障害基礎年金(中度)が月6万5千円ほどです。
支出としては、ホームの家賃(お値段忘れました)は、収入が条件に満たない金額のため免除か減額か、あるいは補助の対象か何かで(あやふやですみません)、食費等の実費は払います。
すると、最終的には手もとに2万円ほど残り、就労Bでいつもより稼ぎがあったときはさらにもうちょっとプラスになる時もあり、お小遣いや貯金に回せるそうです。
貯金等の金銭管理については、有料(たしか1800円ほど)で金銭管理サービスをしてくださるそうです。有料にしないと、信用問題とかあるらしいです。(ほんとうろ覚えですみません)

後で調べたところによると、こういった仕組みは大体どこでも共通していることのようです。
手もとに2万円ほど残ることについて、厚生労働省のホームページでこんな資料を見つけました。
障害者福祉サービス等>障害者の利用者負担
こちらの項目4に「少なくとも手元に25,000円が残るように補足給付が行われます」とありました。
この文書が、今回のケースと同じこととして当てはまるのか、詳しいことは分かりませんが。
月々の賃金が1万5千円でどうやって生きていくの?と思っていた身としては、とてもありがたい情報です。

工房A(就労A,B)

美味しいクッキー等焼き菓子を販売している、工房A。
玄関を入るとすぐ、お菓子というイメージに似合った、天井の高い素敵な多目的ルーム(利用者さんがミーティングや食事をするスペース)でした。
お菓子を販売するため、入り口には販売の方が待機していました。

最初に施設の説明がありましたが、
工房Aさんはお菓子に限らず、
部品の組み立てや清掃の就労A、
高齢者向け弁当配食サービス、部品加工、小物製造などの就労B(お菓子も就労B)、
放課後等デイサービスなど、
様々な事業を展開していることを知りました。
(じつはぴょこりんのお世話で殆ど話しを聞けなかったので、後でホームページで知りました)

最初に見学した作業部屋は、先ほど見たN苑の部品組み立てとほぼ同じようなかんじだったので、「どこも大体同じなのかな?」というのが新鮮というか、驚きでした。

どんどん事業展開していくところも、こういった施設に共通しているように思えました。

次に、休憩ルームという面白い部屋をチラ見させてもらいました。
ここは、利用者さんが疲れたとき休めるよう、畳が敷いてあったり、ちょっと横になれるようになっています。
なかなか素敵なアイデアですね。

災害対応時のお風呂もありましたが、一度も使われていないようでした。

ガラス越しに、厨房を見ることもできました。説明は聞けませんでしたが、ここがお菓子を作っているところなのかな?干し芋のようなものを割いている女性が3人いました。
ぴょこりんもお菓子作りが好きなら、こういうお仕事もいいなーと、軽々しいですが思ってしまいました。

最後にお菓子を買い、押し花のカレンダーも注文しました。
詳しくは書きませんが、注文時にカレンダーのお金を受け取ってもらえなくて、届いたときカレンダー代を請求されず、こちらから問い合わせました。
こういうところの事務こそ、お金にルーズであってほしくはないと思ったのでした。

K工房(市役所内食堂での就労)

お昼は某市役所内の食堂で食事しました。
ツアーの人数が20名ほどいるので、正確には食堂の隣りの会議室だったのですが。
こちらの食堂は、K工房から障害者を雇用をしているということで、見学も兼ねていました。
会議室には、K工房から出張でパン販売も来られていて、またまた美味しいパンまで購入してしまいました。
食事が運ばれるまでの間、K工房の説明を聞いたり。
食事は普通に美味しかったです。
後で厨房の前を通り過ぎて、働いている人の様子を覗いてみましたが、パッと見では誰が障害者雇用かとか、全然わからなかったです。
ぴょこりんのぐずりが始まって、私も(爺婆も)疲れました。

今年のツアーは昨年より濃い内容だったなあと振り返りながら、帰路につきました。

2019年編感想

2019年もおみやげをもらい、見学したことのない作業所の梅干しと、海洋深層水の塩でした。
次回はもうぴょこりんは保育園だし、私も働いているだろうから、参加はきびしそうです。
ぴょこりん連れではこれが限界と思いました。
でも、じつのところ「もっと見たい。見たことない場所全部見たい。」とも思っているのです。
私が仕事のない日だったら、一人で参加しちゃうかも。

↑またまた関係ない写真ですが、いい笑顔ですよね。

今回の一番の収穫は
「就労B、グループホーム住まいで、2万円ほどおこづかいが残る」という情報でした。
2018年に勝手に描いた夢「アーティストになってオリジナリティに生きてほしい」は、生きるためには厳しいことも分かってきました。
個人でアーティスト活動をしたら、おそらくそういった保障から外れてしまうのではないでしょうか。

むしろ、理想とする職場やグループホームを、自分で作ってしまったほうがいいような気がしました。
私がそんな器ではないとか、力がないということは脇に置いといて、ひとまず願望だけを語るならです。
アーティスト活動で、たとえ少額でも安定した収入を得られるような職場。
娘がアートに興味なければ、他のお仕事でも。
テレビやネット等で、カフェのお仕事をされているダウン症の方を観たことがあります。
知的障害の方たちが働ける一流のチョコレート工房を開業された方のニュースも。
色々な道がありますね。
住まいは、年老いた私と主人と娘、そして仲良しのお友達も一緒に住めるようなグループホームが、あったら最高です。
好きなことをやって、一緒に住みたい人と住んで、できるだけ楽しい気持ちで生きてほしいんですよね。

まずは、色々な施設や事例をもっと知りたいです。
自分でできなくても、お願いして作ってもらうことだって、できるかもしれません。
理想の職場が近くにできることだって、ないとは言えないと思います。
娘はまだ3歳になったばかりなので、長い目でゆっくり情報収集していきたいです。

↑暖冬とはいえ冷たい風が吹く中、たくさん歩いてくれました。

ちなみにこんな本をアマゾンで買いました

障害のある子の「親なきあと」

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障害ある子の「親なきあと」

少しずつ読み進めていますが、私のこの内容スカスカなブログでは得られない情報が満載で、目からウロコです。
(でもせっかく書いたので、スカスカブログもアップしちゃいます)
早いうちから読んでおいて損はないと思いました。
まじでこのブログ読むよりこの本のほうがオススメですよ(最後にそれを書くな)

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